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郷 信広; 米谷 佳晃*
生体の科学, 56(6), p.626 - 631, 2005/12
「蛋白質がわかる」ための理論と計算の役割について解説した。蛋白質の立体構造は、アミノ酸配列によって一意的に決まる。この背景にある仕組みを解明するという問題に関して、著者の一人は、かつて蛋白質の天然状態は整合性原理という原理を満たしていることが本質であることを指摘した。蛋白質のアミノ酸配列が生物進化の所産であることが、この原理成立の背景にある。理論は、このように問題の基本的構造を明らかにする役割を担っている。そして、近年、計算によって蛋白質を理解することが可能な時代に入りつつある。計算により蛋白質を理解するためには、蛋白質の構造区間のサンプリングと蛋白質を記述するポテンシャルエネルギー関数の2つの面の精度の向上が必要である。これらの2点について詳しく述べられている。